金錯銘鉄剣
よみがな:きんさくめいてっけん
寸法:全長73.5cm
後円部墳頂の埋葬施設の一つである礫槨から出土した鉄剣です。剣身に表面57文字、裏面58文字の計115文字の銘文が金象嵌で刻まれています。
他の副葬品とともに「武蔵埼玉稲荷山古墳出土品」として、1983年に国宝に指定されました。
※令和6年4月より当面の間、資料保存の観点から展示しておりません。
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世紀の大発見
発掘調査から10年後の1978年、保存処理の作業中に銘文が発見されました。115文字の銘文はすべての文字が判読可能な上、文字数は古墳時代の銘文をもつ刀剣類の中でも圧倒的な多さです。
銘文の中にある「ワカタケル大王」の名前や「辛亥の年」という記載から、この時代に大王の勢力が非常に広範囲に及んでいたことが明らかになりました。金錯銘鉄剣は、日本古代史を考える上で100年に一度とも言われる大変重要な発見でした。
銘文の内容
「ヲワケ(コ)」という人物の先祖が代々、武官の長として大王に仕えてきたこと。また、ヲワケ(コ)がワカタケル大王の補佐をした功績を記録するため、「辛亥の年」に剣を作らせたことが記されています。