5世紀後半 前方後円墳 墳丘長120m
最初に造られた大型古墳
埼玉古墳群で最も古く、最も北に位置する古墳です。
前方部は土取りで消失していましたが、発掘調査を基とした復原整備(1997年~)により、当時に近い形がご覧いただけます。墳丘の全長は120mで、周囲には二重の長方形の周堀がめぐります。墳丘、中堤のそれぞれ西側に、造出しという張り出し部が設けられています。
墳丘の頂上に登ることができ、復原された礫槨とともに、周囲の古墳を見渡せます。
世紀の発見 金錯銘鉄剣
昭和43年の発掘調査により、後円部から2基の埋葬施設が見つかりました。
そのうち礫槨からは、鏡や武具、馬具とともに、115の文字が刻まれた鉄剣が出土しました。金錯銘鉄剣と呼ばれるこの剣は、古墳時代の刀剣の銘文としては最も長文で、その内容も古代史を研究する上で重要な情報が含まれています。稲荷山古墳の埋葬施設から出土した遺物は、その学術的・歴史的価値の高さから、一括で国宝に指定されています。
・後円部墳頂から2基の埋葬施設が発見
・115文字が刻まれた金錯銘鉄剣が出土
・前方部は発掘調査を基に復原整備