2023年10月の記事一覧

博物館改修工事の進捗状況Vol.1

さきたま史跡の博物館は9月1日より改修工事に伴い休館となっておりますが、

改修工事中の当館の状況についてお知らせいたします。

 

①博物館外のケヤキ並木

 博物館へと続くケヤキ並木から博物館までは、安全のためのフェンスで囲われています。

来園者用の通路を確保してありますが、通常時と比べとても狭くなっておりますので、通行には充分お気を付けください。

 

ケヤキ並木の写真フェンス外通路の写真

 

博物館前にあった自動販売機はフェンス外に移動してありますので、今までどおりご利用いただけます。

自動販売機の写真

 

②博物館の外観

 博物館の外観写真です。工事用の仮設事務所や足場が組まれており、工事着工前と現在の状況を比較すると、その違いは一目瞭然です。

 博物館外観様子(現在)

フェンス外通路の写真

博物館外観様子 (工事前)

博物館外観様子 (工事前)

現在は作業を行うための足場組立を行っています。これから屋上防水や館内の空調設備、電気設備などの改修を行っていきます。

 

引き続き進捗がありましたら更新していきます!

さきたま史跡の博物館の再オープンをお楽しみに!

(総務担当)

出張授業に行ってきました(中学校向け「郷土の誇り 埼玉古墳群」)

 先日、博物館の近隣の中学校に出張して授業を行いました。
 テーマは「郷土の誇り 埼玉古墳群」。古墳群や出土品についてのより深い知識や、地域の人々が古くから地元の古墳に向き合い、保護を行ってきた歴史をお伝えしました。

授業の様子。

 各地の古墳は、様々な事情で墳丘の部分がなくなってしまったものが多くあります。埼玉古墳群の古墳は今でこそ特別史跡の指定を受け大切にされていますが、かつては消滅が危ぶまれた時期もありました。

 埼玉古墳群の位置する土地(現在の行田市)が開拓され始めた頃は、地面が水分を含みすぎていて開拓がうまく進まなかったようです。そこで、古墳の墳丘から埋め立て用の土をとることが行われていました。

 例えば、かつて埼玉古墳群の東にあった若王子古墳は、土取りで昭和9年頃には完全になくなってしまいました。

若王子古墳があった位置上空からの写真(黄線はクロップマークから推測された墳丘の形。)

 このままでは他の古墳もなくなってしまうと危惧した当時の埼玉村の人々は、昭和10年、県に対して丸墓山、二子山、鉄砲山古墳の保存要望書を提出します。指定のための調査が行われる間にも、稲荷山古墳の前方部が土取りで消滅してしまいましたが、昭和13年にはそれらの古墳が周辺のものも含め「埼玉村古墳群」として国の史跡に指定されます。

 この指定の後には、各古墳の周りに「埼玉村古墳群」と書かれた標柱や記念碑が建てられました。これは、地域の古墳を守っていこうとした人々の決意の証といえます。昭和32年に「埼玉古墳群」へ名称を変更した現在も、これらの石碑や標柱は古墳をまもるように残っています。

保存運動の記念碑鉄砲山古墳の標柱

 この授業を通して、埼玉古墳群の近くに住む中学生の皆さんに、古墳や郷土の文化財を誇りに思い、大事にしていく気持ちを持ってもらえればと思っています。

 
(広報・学習支援担当)

10月なのに〇〇〇の花が!?        

残暑が続いた9月も終わり、だいぶ過ごしやすい時期になってきましたね。

さきたま古墳公園内の石田堤付近をお散歩していたところ

 
おや、何か白いものが見えますね、、、

石田堤付近の木を3倍ズームした写真

おやおや?もしかして???

10倍ズームした写真

あ!桜だ、これ!!!

30倍ズームした写真

調べたところ十月桜という品種があり、全体の1/3のつぼみは秋~冬に、残りの2/3は春に咲かせるそう。しかし、さきたま古墳公園の石田堤は春に満開の桜並木になることで有名です。木全体を見ても咲いている箇所はほんの数か所なので、これは十月桜なのか?と謎は深まるばかりです。

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桜の正体は分からずじまいでしたが、「心地の良い暖かさになってきたから、桜も咲きたくなってしまったのかな」なんて吞気なことを考えながらほっこりした1日でした。

 

皆さんもさきたま古墳公園を散策されるときは、ぜひ石田堤の桜を見つけてみてはいかがですか?

 

追伸

石田堤付近は彼岸花が咲いています。今なら桜と彼岸花の春秋コラボレーションも見られるかも??

10倍ズームした写真10倍ズームした写真

学習支援ボランティア活動中【火おこし道具制作】

 普段は、まが玉づくり体験など各種体験のお手伝いをしていただいている学習支援ボランティアの皆さん。休館中でイベントが限定されている今は、どんなことをされているのでしょうか。

 
 一つは、イベントのための道具の準備です。

 火おこし体験で使う道具を作っているところです。これは舞ぎり式というやり方に対応した道具で、板状の部分を上下させると、芯が回って木どうしで摩擦を起こすことができます。

 摩擦で熱を持った火種から、火をおこすことになります。

 ちなみに、芯の部分は擦り減ったら取り換えられるようになっています。写真は、予備の芯を作っているところです。

 「火おこし」はさきたま古墳公園内で行うほか、出張授業でも実演することがあります。この機会に新しい道具をそろえておき、来年度は万全の状態で臨みたいです。

 道具制作に協力いただけるボランティアの皆さんには、感謝してもしきれません……

 
(広報・学習支援担当)