2023年12月の記事一覧

「バーチャル埼玉」を知っていますか?        

 「バーチャル埼玉」は、今年の県民の日(11月14日)に立ち上がった新しいWebサイトです。

スマートフォンやパソコンから、3次元空間に入って埼玉県の魅力を体験することができます。

バーチャル埼玉 入場直後の画面。

バーチャル埼玉 入場直後の画面。

 

中央に表示されているのは、アバター(操作するためのキャラクター)です。タッチや右のボタンクリックで操作できます。

 

バーチャル埼玉内はいくつかのエリアに分かれており、空中歩行やクイズに挑戦などもできるようです。今回はその中から、当館も出展している「蔵造りブース」をご紹介します。

蔵造りブース

埼玉の誇る観光地・川越をイメージした、蔵造りの建物が並んでいます。各建物の中では、県庁各課の事業や、博物館や美術館など県立施設の魅力が紹介されています。

 

 

当館のブースは、稲荷山古墳の図から作ったデザインが映える、こちらの暖簾が目印です。

崎玉古墳群/さきたま史跡の博物館のブース前

埼玉古墳群/さきたま史跡の博物館のブース前。

 

中の展示は、当ホームページから埼玉古墳群や将軍山古墳展示館開館の基本情報を抜粋して掲載しています。

また、当館のブースにはちょっと驚くような独自の仕掛けもあります。

ヒントは「3D」です。皆様自身で確かめてみてください!

 

 

当館ブースの他にも、通りすがっていると埼玉の情報がたくさん目に留まります。

ぜひ探索してみてください!

 

バーチャル埼玉総合ページ

https://virtual-saitama.pref.saitama.lg.jp/

 

蔵造りブースへのリンク(入ると音が出ますのでご注意ください)

https://v-air.world/Rv3Xd2h/%E8%94%B5%E9%80%A0%E3%82%8A%E3%83%96%E3%83%BC%E3%82%B9b%E5%8C%BA%E7%94%BB01#fromsakitama

 
(広報・学習支援担当)

愛宕山古墳、発掘中です!       

 11月1日から愛宕山古墳の発掘調査がはじまりました。

 ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、愛宕山古墳は埼玉古墳群の中で最小の前方後円墳で、墳丘全長が54.7mです。同じく埼玉古墳群の中にある二子山古墳は武蔵国で最大の前方後円墳で、墳丘全長が132.2mもあります。比べてみるとその差がよくわかります。

 昭和56年に埼玉県教育委員会と行田市教育委員会によって2回調査が行われており、前方部南側調査区の東南部では内堀のコーナー部が確認されています。

 下記URLより報告書をご覧いただけますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

1985_埼玉古墳群発掘調査報告書第三集_愛宕山古墳_埼玉県教育委員会.pdf

 

 

 令和3年度には墳丘西側の調査が行われましたが、後世に改変を受けており、西側の外堀、内堀、造出し(=葬送儀礼の場と考えられる、墳丘に取り付く突出部)は確認できませんでした。しかし、2つのトレンチから旧表土(=古墳築造当時の地表面)を確認することができました。

 

 

 赤線間の層と上下の層で土色が異なることがわかるでしょうか?この赤線間の黒っぽい層が旧表土です。ここを境に上部が盛土で下部が地山(=人為的な手が加えられていない、基盤となる土層)です。

 

 

 そして今年度の調査では、墳丘南側(前方部)の周堀と墳丘北側(後円部)の墳裾の範囲を確認します。

 初日は、重機を使って「表土掘削」を行いました。新しい時期の表土を剥いで、遺構を確認します。

 

 遺構を壊さないように、学芸員立会いのもと慎重に掘り下げていきます。

 

 表土剥ぎが終わったら、遺構をしっかりと確認するためにトレンチの壁と床をきれいにします。これを精査と呼んでいます。

 精査の様子

      精査の様子

 

 

 こちらは土のう作りの様子です。土のうは、専用の袋に土を入れて縛ったもので、ブルーシートが飛ばないようにおもりとして使用したり、深く掘ったトレンチで階段として使用するなど、発掘現場では欠かせません。

土のう 土のうづくりの様子

 

今回は愛宕山古墳の概要と調査の駆け出し部分をお伝えしました。

 


まだまだ始まったばかりなので、今後も調査の様子をお届けします!