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博物館改修工事の進捗状況Vol.1

さきたま史跡の博物館は9月1日より改修工事に伴い休館となっておりますが、

改修工事中の当館の状況についてお知らせいたします。

 

①博物館外のケヤキ並木

 博物館へと続くケヤキ並木から博物館までは、安全のためのフェンスで囲われています。

来園者用の通路を確保してありますが、通常時と比べとても狭くなっておりますので、通行には充分お気を付けください。

 

ケヤキ並木の写真フェンス外通路の写真

 

博物館前にあった自動販売機はフェンス外に移動してありますので、今までどおりご利用いただけます。

自動販売機の写真

 

②博物館の外観

 博物館の外観写真です。工事用の仮設事務所や足場が組まれており、工事着工前と現在の状況を比較すると、その違いは一目瞭然です。

 博物館外観様子(現在)

フェンス外通路の写真

博物館外観様子 (工事前)

博物館外観様子 (工事前)

現在は作業を行うための足場組立を行っています。これから屋上防水や館内の空調設備、電気設備などの改修を行っていきます。

 

引き続き進捗がありましたら更新していきます!

さきたま史跡の博物館の再オープンをお楽しみに!

(総務担当)

出張授業に行ってきました(中学校向け「郷土の誇り 埼玉古墳群」)

 先日、博物館の近隣の中学校に出張して授業を行いました。
 テーマは「郷土の誇り 埼玉古墳群」。古墳群や出土品についてのより深い知識や、地域の人々が古くから地元の古墳に向き合い、保護を行ってきた歴史をお伝えしました。

授業の様子。

 各地の古墳は、様々な事情で墳丘の部分がなくなってしまったものが多くあります。埼玉古墳群の古墳は今でこそ特別史跡の指定を受け大切にされていますが、かつては消滅が危ぶまれた時期もありました。

 埼玉古墳群の位置する土地(現在の行田市)が開拓され始めた頃は、地面が水分を含みすぎていて開拓がうまく進まなかったようです。そこで、古墳の墳丘から埋め立て用の土をとることが行われていました。

 例えば、かつて埼玉古墳群の東にあった若王子古墳は、土取りで昭和9年頃には完全になくなってしまいました。

若王子古墳があった位置上空からの写真(黄線はクロップマークから推測された墳丘の形。)

 このままでは他の古墳もなくなってしまうと危惧した当時の埼玉村の人々は、昭和10年、県に対して丸墓山、二子山、鉄砲山古墳の保存要望書を提出します。指定のための調査が行われる間にも、稲荷山古墳の前方部が土取りで消滅してしまいましたが、昭和13年にはそれらの古墳が周辺のものも含め「埼玉村古墳群」として国の史跡に指定されます。

 この指定の後には、各古墳の周りに「埼玉村古墳群」と書かれた標柱や記念碑が建てられました。これは、地域の古墳を守っていこうとした人々の決意の証といえます。昭和32年に「埼玉古墳群」へ名称を変更した現在も、これらの石碑や標柱は古墳をまもるように残っています。

保存運動の記念碑鉄砲山古墳の標柱

 この授業を通して、埼玉古墳群の近くに住む中学生の皆さんに、古墳や郷土の文化財を誇りに思い、大事にしていく気持ちを持ってもらえればと思っています。

 
(広報・学習支援担当)

学習支援ボランティア活動中【火おこし道具制作】

 普段は、まが玉づくり体験など各種体験のお手伝いをしていただいている学習支援ボランティアの皆さん。休館中でイベントが限定されている今は、どんなことをされているのでしょうか。

 
 一つは、イベントのための道具の準備です。

 火おこし体験で使う道具を作っているところです。これは舞ぎり式というやり方に対応した道具で、板状の部分を上下させると、芯が回って木どうしで摩擦を起こすことができます。

 摩擦で熱を持った火種から、火をおこすことになります。

 ちなみに、芯の部分は擦り減ったら取り換えられるようになっています。写真は、予備の芯を作っているところです。

 「火おこし」はさきたま古墳公園内で行うほか、出張授業でも実演することがあります。この機会に新しい道具をそろえておき、来年度は万全の状態で臨みたいです。

 道具制作に協力いただけるボランティアの皆さんには、感謝してもしきれません……

 
(広報・学習支援担当)

動画紹介「空中ガイドツアー『VR埼玉古墳群』」

当館の公式YouTubeチャンネルでは、古墳群や展示資料に関する動画を公開しています。

チャンネル内でもっとも多く再生されているのが「さきたま空中ガイドツアー『VR埼玉古墳群』」(令和3年公開)です。

これは、埼玉古墳群の全9基の古墳を上空から見ることができる動画です。指でスワイプしたり、マウスでドラッグすることで視界を360度動かすことができます。

古墳の各部分を示しながらの音声解説・字幕もついています。

動画の一場面。字幕が出ているところ

 さらに、VR(Virtual Reality)視聴に対応する動画のため、一部のスマートフォンのアプリや市販のゴーグルを使うと、体の動きに合わせて立体的な映像を体感することができます。
(※ VR視聴の環境や具体的な手順に関しては、YouTubeのヘルプなどをご確認ください。)

遠方でなかなか埼玉古墳群を訪れることができないかた、空から古墳を見てみたいかたも、この動画でいつでも空中散歩を楽しめます。ぜひご視聴ください。

 

(情報発信検討会)

将軍山古墳展示館にポスター・チラシを置きました。

 今日は広報のお仕事についてお伝えします。

 さきたま史跡の博物館は現在、本館が工事休館となっています。

 将軍山古墳展示館は平常通り入ることができます。

(将軍山古墳展示館)

 これまで本館の中にあったポスターとチラシを将軍山古墳展示館に移すため、掲示用ラックなどの什器ごと車に乗せて運びました。

 入口付近の道がせまく、車を入れるのが大変でした……

 無事、設置完了しました。今後さきたま古墳公園で行われるイベントの案内チラシや、Webでも受付中の「故郷さきたま写真展」応募用紙などが置いてあります。

 過去の企画展リーフレットなど、ここにしか配架しないものもちらほら。

 

 本館が使えない今、チラシやポスターで広報を行うことができる貴重な場なので、うまく活用していきたいです。

(広報・学習支援担当)

出張授業とは?/出張授業の実施に向けて

 今回は、「出張授業」のおしごとについて紹介します。

 出張授業とは、博物館に務める職員(主に教員免許のある者)が、小学校などに出張して授業を行うものです。

 博物館のお仕事には、館内に展示を行ったり、資料や史跡を適切に管理したりするだけでなく、その価値や存在を外に伝えていくことも含まれます。たとえば埼玉県内だと、出張授業によって「埴輪」やその欠片を始めて触ったり、初めて「まが玉」を作ったりした方もいるのではないでしょうか。

  余談ですが、Twitter(現X)上で、「埼玉県ではまが玉を作る授業があった」という投稿が話題になっていました。当館も取材に答えています。

 近年でも出張授業の1つとして、「オリジナルまが玉を作ろう」を希望に応じて実施しています。

 出張授業でまが玉を作った小学生の方が、休日に改めてまが玉を作りたくて来館してくれたということも結構あります。そんなことがあると、出張してよかったと思います。来年度に休館が明けたとき、博物館や古墳群にたくさん来てもらえるように頑張っていきたいです。

 

 今年の出張授業(下半期)の実施時期は、令和5年9月1日(金)~令和6年2月29日(木)※です。先週は、この周知のために「出張授業案内パンフレット」を作成し、県内の各小学校に市町村教育委員会を通じて配布しました。すでにいくつか申込をいただいているところです。

 小学校に出張することが多いものの、特別支援学校、中学・高校・専門学校からお話をいただくこともあります。まだ歴史の勉強が始まっていない小学3年~5年生のクラスでも体験やクイズを通して授業を行うことができるので、気軽にご相談いただきたいと思っています。

 

【出張授業 各プログラムの詳細・申込はこちら】

 

 今年度の出張授業の様子は、このブログでもご紹介するかもしれません。また、特別ゲストに授業をお手伝いしていただくこともあります。今後の更新にご期待ください。

(広報・学習支援担当)

 

※(月曜日・臨時休館(年末年始休館)・土曜日・日曜日を除く)