2023年10月の記事一覧

新しい3Dモデル公開しました!!①

 新しい埴輪の3Dモデルを公開しました。

将軍山古墳から出土した円筒埴輪の3次元モデル。

Sketchfabで見る(外部サイトが開きます)

 今回3Dモデル化した館蔵資料は、将軍山古墳から出土した円筒埴輪です。この円筒埴輪は、平成5年度の発掘調査の際に後円部北側の内堀から出土したものです。ほぼ完形品で、器高は62㎝の4条突帯をもち、色調は橙色で直立状の形状をもつのが特徴になります。

 

 

 将軍山古墳では、他のタイプの円筒埴輪も出土しており、同じ古墳でも複数の工人集団によって作成されたタイプの違う円筒埴輪が並べられていたことがわかっています。

 

 引続き埼玉古墳群で出土した円筒埴輪の3Dモデルを公開していく予定ですので、3Dモデルを通して円筒埴輪の種類の違いを感じていただければと思います。

 

(史跡整備担当)

古代人が埼玉古墳群と博物館の思い出をふりかえります①

 どうも、古代人です。

 

 さきたま史跡の博物館のホームページをご覧の皆様、はじめまして。

 わたしは埼玉古墳群とさきたま史跡の博物館に定期的に行っていました。最近、博物館本館が工事休館になって残念に思っていたら、職員の方から、博物館の休館中ブログで記事を書いてくれないかと頼まれて、今書いてます。

 ノートパソコンでブログを執筆する古代人。

 職員の人とちがってあまり専門的なことは書けないけど、ファンの一人として、どんなことが楽しかったか思い出しながら書いていくよ。面白そうだなと思ったら、皆さんも行ってみてね。

 

 

 2022年の初め頃に、さきたま史跡の博物館と埼玉古墳群に初めて行ってみたんだ。その時のことが、博物館の公式X(旧Twitter)にも載っているね。「#古代人の日常」で検索すると、まだ見られるかも?

 

 あの日はまず館内を歩いてみて、国宝展示室で「金錯銘鉄剣」などの貴重な遺物を見たよ。

 

金錯銘鉄剣を見る古代人。

 今は工事休館中だから、本物はしばらく見られないのが残念。再公開を待ちたいね。

 

 

 あとは、博物館のオリジナルグッズを買ったり「まが玉づくり体験」をしたり……。

博物館でグッズを選ぶ古代人。

 グッズは、今でも博物館に連絡すると郵送で買えるみたいだね。詳しくはこのページ(利用案内>ミュージアムグッズ>通信販売の申込方法について)に注文の仕方が書いてあるよ。

 

 

 博物館で出土品を見た後は、外に出て埼玉古墳群を歩いてみたよ(#古代人の日常_Season2)。古墳群は本当に広くて、ゆっくり見ていると2時間くらいはかかったかなあ。冬だったからちょっと寒かった。

特別史跡 埼玉古墳群ガイドブックの表紙。

 古墳群をまわるときは、博物館で買った「特別史跡 埼玉古墳群ガイドブック」がとっても役に立ったな。今は博物館に入れないから、郵送で買うか、駐車場の向かいの「さきたまテラス」って施設で買うこともできるみたい。

 

 博物館のすぐ近くの瓦塚古墳を見た後、まずは古墳群の南側の3基(奥の山古墳、中の山古墳、鉄砲山古墳)をまわったよ。

奥の山古墳の傍らに立つ古代人。

 

 

 鉄砲山古墳で撮った写真。わたしと比べると大きさがよくわかるね。

鉄砲山古墳と古代人。


 途中で近くの前玉神社に寄って、「さきたま」と言葉が入った歌の碑を見たり、猫たちに挨拶したり。この近くは古墳だけじゃなくて、楽しみ方も色々あるんだ。

万葉歌碑を見る古代人・前玉神社の猫に挨拶する古代人

 いろいろ思い出してきて、長くなってしまった。続きはまた別の記事で書こうかな。

 またね!

 

(古代人)

2年ぶりの愛宕山古墳の発掘調査始まる!

  11月から愛宕山古墳の範囲確認と保存状況を確認するための発掘調査を行います。

 

 今回は令和3年度から2年ぶりの発掘調査で、これまで未調査だった前方部南側及び周堀南側(かつてお店があった場所)が対象です。

 調査に当たっては近隣や公園利用者に配慮し、安全に作業を進めてまいります。

 なお、発掘調査現場内は大変危険ですので、立ち入りはご遠慮ください。ご理解ご協力のほどよろしくお願いします。

 

 

1.調査期間 令和5年11月1日(水)~令和6年2月29日(木)

2.調査地点 愛宕山古墳

3.調査日時 各週の火・水・金曜日の9:00~16:00まで
      (調査の進捗や天候状況により、変更することがあります)

愛宕山古墳発掘調査区

 どんな発見があるか私たちも楽しみです!

 

休館中ブログにて調査の様子をお伝えしていく予定ですので、引き続きよろしくお願いします。

(史跡整備担当)

 

現場に関するお問合せ
埼玉県立さきたま史跡の博物館 史跡整備担当
TEL 048‐559‐1181

開館54年目を迎えました/思い出の写真を募集中です

 当館は、今年10月で開館から54年目を迎えました。

 当館が埼玉県立の「さきたま資料館」として開館したのは昭和44(1969)年10月でした。その後、平成18年に「さきたま史跡の博物館」と名前を変え、現在に至ります。

 

 今回の記事では、さきたま資料館開館当時の写真を見てみたいと思います。まずは建物の外観です。

さきたま資料館開館当時の外観。

 現在の建物の国宝展示室にあたる部分がまだ造られていないことがわかります。古墳群の整備と歩調を合わせて、建物も拡張されたのですね。

 現在の様子は次の写真のとおりです。

 

 開館して間もない昭和44年、丸墓山古墳まで続く道はこのようになっていました。

  レストハウスや並木がなく、ずいぶんすっきりとしています。こちらも徐々に整備されて、いまのような形になったのですね。

 

 今年は、「わたしと埼玉古墳群 故郷さきたま写真展 —埼玉古墳群・博物館のお写真を募集します!—」と題して、皆様がお持ちの埼玉古墳群・さきたま史跡の博物館(さきたま資料館)の写真を募集しています。

故郷さきたま写真展 詳細ページへ続くバナー

 今回見た写真のように、写真のおかげで当時についてわかることがたくさんあります。皆様がお持ちの写真が、50年以上の歴史を振り返る手がかりになるかもしれません。

 すでに多くの写真をお送りいただいているので、HP上で一部ご紹介するほか、今冬にさきたま古墳公園内で写真展を実施する予定です。

 

 12月4日まで受付は続きますので、ぜひご応募ください!

 
(広報・学習支援担当)

コスモスの花が見頃です。            

さきたま古墳公園内では様々な花を見ることができますが、

二子山古墳と将軍山古墳の間には、約2,000㎡のコスモス畑が広がっています。

二子山古墳とコスモス畑(10月12日撮影)

古墳公園北側の地図にコスモス畑の位置を示す。

10月12日撮影。10月12日撮影。

コスモスの花がちょうど見ごろを迎えているところです。

歩きやすくなってきたこの時期に、古墳群を散策してみませんか?

 
(広報・学習支援担当+公園管理担当)

博物館改修工事の進捗状況Vol.1

さきたま史跡の博物館は9月1日より改修工事に伴い休館となっておりますが、

改修工事中の当館の状況についてお知らせいたします。

 

①博物館外のケヤキ並木

 博物館へと続くケヤキ並木から博物館までは、安全のためのフェンスで囲われています。

来園者用の通路を確保してありますが、通常時と比べとても狭くなっておりますので、通行には充分お気を付けください。

 

ケヤキ並木の写真フェンス外通路の写真

 

博物館前にあった自動販売機はフェンス外に移動してありますので、今までどおりご利用いただけます。

自動販売機の写真

 

②博物館の外観

 博物館の外観写真です。工事用の仮設事務所や足場が組まれており、工事着工前と現在の状況を比較すると、その違いは一目瞭然です。

 博物館外観様子(現在)

フェンス外通路の写真

博物館外観様子 (工事前)

博物館外観様子 (工事前)

現在は作業を行うための足場組立を行っています。これから屋上防水や館内の空調設備、電気設備などの改修を行っていきます。

 

引き続き進捗がありましたら更新していきます!

さきたま史跡の博物館の再オープンをお楽しみに!

(総務担当)

出張授業に行ってきました(中学校向け「郷土の誇り 埼玉古墳群」)

 先日、博物館の近隣の中学校に出張して授業を行いました。
 テーマは「郷土の誇り 埼玉古墳群」。古墳群や出土品についてのより深い知識や、地域の人々が古くから地元の古墳に向き合い、保護を行ってきた歴史をお伝えしました。

授業の様子。

 各地の古墳は、様々な事情で墳丘の部分がなくなってしまったものが多くあります。埼玉古墳群の古墳は今でこそ特別史跡の指定を受け大切にされていますが、かつては消滅が危ぶまれた時期もありました。

 埼玉古墳群の位置する土地(現在の行田市)が開拓され始めた頃は、地面が水分を含みすぎていて開拓がうまく進まなかったようです。そこで、古墳の墳丘から埋め立て用の土をとることが行われていました。

 例えば、かつて埼玉古墳群の東にあった若王子古墳は、土取りで昭和9年頃には完全になくなってしまいました。

若王子古墳があった位置上空からの写真(黄線はクロップマークから推測された墳丘の形。)

 このままでは他の古墳もなくなってしまうと危惧した当時の埼玉村の人々は、昭和10年、県に対して丸墓山、二子山、鉄砲山古墳の保存要望書を提出します。指定のための調査が行われる間にも、稲荷山古墳の前方部が土取りで消滅してしまいましたが、昭和13年にはそれらの古墳が周辺のものも含め「埼玉村古墳群」として国の史跡に指定されます。

 この指定の後には、各古墳の周りに「埼玉村古墳群」と書かれた標柱や記念碑が建てられました。これは、地域の古墳を守っていこうとした人々の決意の証といえます。昭和32年に「埼玉古墳群」へ名称を変更した現在も、これらの石碑や標柱は古墳をまもるように残っています。

保存運動の記念碑鉄砲山古墳の標柱

 この授業を通して、埼玉古墳群の近くに住む中学生の皆さんに、古墳や郷土の文化財を誇りに思い、大事にしていく気持ちを持ってもらえればと思っています。

 
(広報・学習支援担当)

10月なのに〇〇〇の花が!?        

残暑が続いた9月も終わり、だいぶ過ごしやすい時期になってきましたね。

さきたま古墳公園内の石田堤付近をお散歩していたところ

 
おや、何か白いものが見えますね、、、

石田堤付近の木を3倍ズームした写真

おやおや?もしかして???

10倍ズームした写真

あ!桜だ、これ!!!

30倍ズームした写真

調べたところ十月桜という品種があり、全体の1/3のつぼみは秋~冬に、残りの2/3は春に咲かせるそう。しかし、さきたま古墳公園の石田堤は春に満開の桜並木になることで有名です。木全体を見ても咲いている箇所はほんの数か所なので、これは十月桜なのか?と謎は深まるばかりです。

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桜の正体は分からずじまいでしたが、「心地の良い暖かさになってきたから、桜も咲きたくなってしまったのかな」なんて吞気なことを考えながらほっこりした1日でした。

 

皆さんもさきたま古墳公園を散策されるときは、ぜひ石田堤の桜を見つけてみてはいかがですか?

 

追伸

石田堤付近は彼岸花が咲いています。今なら桜と彼岸花の春秋コラボレーションも見られるかも??

10倍ズームした写真10倍ズームした写真

学習支援ボランティア活動中【火おこし道具制作】

 普段は、まが玉づくり体験など各種体験のお手伝いをしていただいている学習支援ボランティアの皆さん。休館中でイベントが限定されている今は、どんなことをされているのでしょうか。

 
 一つは、イベントのための道具の準備です。

 火おこし体験で使う道具を作っているところです。これは舞ぎり式というやり方に対応した道具で、板状の部分を上下させると、芯が回って木どうしで摩擦を起こすことができます。

 摩擦で熱を持った火種から、火をおこすことになります。

 ちなみに、芯の部分は擦り減ったら取り換えられるようになっています。写真は、予備の芯を作っているところです。

 「火おこし」はさきたま古墳公園内で行うほか、出張授業でも実演することがあります。この機会に新しい道具をそろえておき、来年度は万全の状態で臨みたいです。

 道具制作に協力いただけるボランティアの皆さんには、感謝してもしきれません……

 
(広報・学習支援担当)